こんにちは。カズゥです。
先日、「さよなら、野口健」という本を読んでいたんですが、 この本の中に野口健さんが高山病にかかる描写がでてきます。
そのとき、頭の中に浮かんできたのが、山に急に登ると、高山病にかかるのか、あれ?これって登山だけじゃないよな?何事も急ぎすぎると良くないよな?という感想です。
そこで、いろいろ考えてみました。
急激に上がった(下がった)ものは急激に下がる(上がる)
登山
急に山に登ってしまうと高山病になります。登頂を成功させるには、体を高地に順応させながら、ゆっくり、登っていかないといけません。
これが、例えば楽をしようと、ヘリコプターなどで、山頂に到着したとしても、高山病で苦しむわけです。高山病を治すには下山しかないです。
急激に上がったものは、下がらないといけないということです。
ダイエット
ダイエット方法は世の中に、たくさんあふれています。
そのほとんどは、3ヶ月で痩せるとか、月単位で効果が出ると宣伝しているものが多いです。
でも、ダイエットでよくあるのがリバウンドですね。
何カ月単位で急激に痩せると、結局は、リバウンドをして体重が元に戻ります。戻ればまだいいほうで、元より太ってしまう場合もありますw
ダイエットは急激に減らすと、急激に元に戻ってしまう代表ですね。
禁煙
禁煙方法もまた、世の中にあふれています。これもまた、3ヶ月で禁煙など月単位での宣伝が多いです。
しかし、急激な禁煙は離脱症状に悩まされ、結局は再喫煙してしまうことになります。
アルコール
お酒を飲める人にとってはアルコール類を飲んでいるときは、楽しいです。
しかし、その翌日には二日酔いが待っています。
気分がアルコールによって楽しい方向に急激に上がったとしても、結局は翌日の二日酔いで気分が悪くなり、急激に元の気分に戻ってしまうということです。
プラマイゼロですね。いや、むしろマイナス寄りかもしれませんw
血糖値
血糖値も食後、急上昇すると、インスリンが分泌され、今度は急降下します。
この食後の血糖値の急上昇、急降下を血糖値スパイクといって、これが続く食生活を続けていると、血管を傷つけたりします。
このように、血糖値も急激に上がると、急激に下がります。
バブル経済
80年代、大きく上がった景気も、バブルがはじけるとともに、大きく下がりました。
株価
株価も急激に上がれば、大体は急激に下がります。
また、急激に下がれば、急激に上がるときもあります。
○○ショックで、株価が暴落したあとは、いずれ、大きく上がって回復します。
株価は短い期間では、上下動が激しくとも長い期間で見れば平均に回帰していきます。
高年俸
アメリカのスポーツ選手は高年俸ですが、引退後に破産する確率が70%〜80%もあるそうです。
一般的な人たちと比べると、スポーツ選手はその才能によって若くして急激に資産を築きますが、その資産を急激に失うことも多いです。
幸福度
1978年にノースウェスタン大学の研究者によって発表された有名な研究で、下半身不随になった人と、宝くじに当たった人の幸福度は、その出来事があってから1年もたたないうちに「同程度」になることが明らかにされました。
下半身不随の人と、宝くじに当たった人、まさに幸福度の急激な上昇と、急激な下降を体験した人の幸福度は、1年もたたないうちに同程度になるそうです。
短期的な成功を好む日本人
ここにグラフがあります。
AとBの折れ線がありますが、 大体の日本人はBの折れ線のような 過程が好きです。短期的に一気に成功したいと思っている人が多いと思います。
方やAの折れ線は、Bと比べるとなかなか上がらず、ようやく、後半のほうに上がっています。こういった、成功の過程はあまり、人気が無いです。
時間がかかっていますし、地味ですし、途中で飽きてしまいそうな雰囲気が感じられますw
投資でもダイエットでも禁煙でも、なるべく短期間で成功したいと考えている人が、多いと思います。
しかし、次のグラフを見てみましょう。Bの折れ線は、大体は急激に上がった場合、急激に元に戻ることが多いです。
このように、一見Bの折れ線のほうが、 派手ですし、短期間で勢いよく上がっているので 良さそうです。しかし、急激に上がるものは急激に下がる法則から、結局は元に戻ることが多いです。
Aの折れ線は、地味で時間もかかるし、上がるのはようやく、最後のほうです。しかし、成功の確率が高いのは、こちらのほうだと思います。
脳は成功(変化)を嫌がる
脳は成功を嫌がります。成功を嫌がるというよりも、変化を嫌がります。
その変化が自分にとって、良いことであっても嫌がります。
なので、上方向にしろ下方向にしろ、急激な変化があると、元に戻る力が働いてしまいます。
禁煙もダイエットも良いことなのに、長続きしないのは急激な変化があると、元に戻ろうとする力のためです。
必ず成功すると決めても、大体は三日坊主で終わります。
今日はちょっと調子が悪いから、ジョギングはやめておこうとか、たばこをあと、2、3本吸ってから禁煙開始だ、または、この目の前のチョコを食べてダイエットは明日から、などと、いろんなやめる理由を考えます。
これは、意志力の問題というよりは、脳の元の環境に戻ろうとする力のためです。
ここで、誰しも疑問に思うのが、 急激な成功を収めて、 なおかつ、それが長続きする人です。もちろん、そういう人もいます。
そういう人は、「自分の好きなこと」「自分の得意なこと」「周りの人たちに喜ばれること」が、たまたま奇跡的に一致した人だと思います。
でも、なかなかそのような人はいなく、ここで書いているのは、あくまでも凡人のための成功法則ということです。
成功は脳にバレないように
では、成功するためにはどうすればいいのか?
それは、成功への取り組みが脳にバレないようにする必要があります。登山で高山病にかからないように、高地順応しながら、ゆっくり登っていくように。
例えばですが、体を鍛える場合、張り切りすぎて、腕立て伏せ30回を2セットなどと最初の取り組みのハードルが高いと脳にバレてしまいます。
筋トレの書籍には、腕立て伏せ30回を2セットと書いてあったとしても、腕立て伏せを毎日、たったの1回から始めたほうが良いです。
毎日、腕立て伏せをするという習慣をつくってから、回数を増やしていった方がいいと思います。
今日はちょっとキツイな、でも、明日もできそうだな、ぐらいでやめておいた方がいいです。
今日をあまりハードにやりすぎると、取り組みが脳にバレてサボりだします。
成功へのスタートは小さくゆっくりはじめる
以前、書いた記事に 「小さな習慣」の 読書感想文があります。オマケ的に、「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」の感想も書きました。
この本の原題が、「Atomic Habits」なんですよね。
Atomicとは、原子のことですね。原子力など、極小であるからこそ最大の力を持っているみたいな意味だと思います。
「Atomic Habits」を日本語に訳すのは難しいですね。原子習慣だと変ですしw なので、上記の日本語タイトルになったかと思います。
イメージ的には子供のころに、よくやっていた虫眼鏡で黒い紙を焦がす実験に似ていると思います。
虫眼鏡を使って太陽の光を集中させ、黒い紙を焦がすには一番小さい点にしないといけません。極小だからこそ最大の力を発揮するということですね。
もう一度読み直したい本です。
現代の日本では、小さく、ゆっくり、 成功に近づくことはあまり人気がありません。大多数の人は、短期間での急激な成功を求めています。
しかし、短期間での急激な成功は、元に戻ってしまうことが多いです。それどころか、高山病のように苦しむこともあります。
当たり前の話ですが、登山のスタートは、たった一歩からです。
成功したいことは、あまり、急がず、あえて小さくはじめてみるのが良いのではないでしょうか。