こんにちは。 カズゥです。
近頃のニュースを見ていると、日本人の「ゼロリスク大好き」っぷりには、疲れちゃいますね。コロナ関連ニュースとか、特にそうです。
2002年にノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンによると、大体の人間は得することよりも損失をしないほうを選ぶそうです。
特に、日本人はその傾向が強いようで、極端な「ゼロリスク」を選択することが、多い気がします。よく、日本人は事なかれ主義と言われたりもしますね。
そりゃ、日本では株式投資が浸透しないわけですよね。しかし、多くの日本人が株式投資をしないと、茹でられちゃいますよ。
ゼロリスク大好き日本人
日本人がどれだけ、ゼロリスクが大好きか、例を書いてみたいと思います。
ゼロコロナ
1918年~1920年にかけて全世界で猛威を振るったスペイン風邪。現在では、インフルエンザの一種とされています。
また、2009年に世界的に流行した、新型インフルエンザも消えたわけではありません。
今でも、インフルエンザに感染しますし、駆逐できていないのですから、ゼロコロナはなかなかむずかしいように思われます。
結局は、ウィルスとの共存のウィズコロナが妥当だと思いますが、多くの日本人はゼロリスク大好きなので、ゼロコロナを願っている人たちが多いのではないでしょうか。
ツーブロック禁止
一時期、ニュースになった一部都立高校の校則です。なぜ、ツーブロックが禁止か? それは、外見上の理由によって事件に遭うのを防ぐためだそうですw
たぶん、ツーブロックにしていることによって、不良に絡まれるのを防ぐためなのでしょうが、その確率は一体、何パーセントなんでしょうか?w そんな小さなリスクまで考えて、校則を決めるのは神経質すぎる気がします。
日本の悪いところは、不良の更生を目指すのではなく、普通の生徒に我慢を強いるところです。不良の更生は、時間もかかるし、めんどくさいですからね。それよりは、普通の生徒に注意喚起をする方が楽ですからね。
環境問題もそうです。本来、一番CO2を排出している中国に協力してもらうのが、ベストなんですが、それだと、大変労力がかかります。国と国との交渉になりますからね。
めんどくさいんで、そこをすっ飛ばして、レジ袋有料化で国民に我慢を強いて、自己満足していた某大臣がいたわけです。
公園でのボール遊び禁止
事故防止のためだと思いますが、公園でのボール遊びで死者が出る確率は、果たして何パーセントなんでしょうか?
その低い確率を過度に恐れることによって、子どもたちの、運動能力が年々下がっていきます。
ゲーム障害
ゲーム障害は、少し前だとゲーム依存症と言われていました。しかし、ゲームをプレイする人すべてがゲーム障害になるわけではありません。
それでも、日本ではゲーム障害を恐れてか、eスポーツの普及が進んでいません。
ゲーム障害は、日本、中国、韓国のアジア3か国で、問題になることが多いです。この3か国に共通するのは、学歴社会だということです。子どもたちにストレスがかかりやすい環境の国で、ゲーム障害が問題になりやすいです。まず、ゲームを取り締まるより、子どもたちのストレスの緩和を考えたほうが良いと個人的には思います。
日本では、香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例案」が話題になりました。公園でのボール遊び禁止もそうですが、子どもたちの息抜きをどんどん奪っていって、子どもたちは何で息抜きをすればいいのでしょうか?
子どもたちに我慢してもらうのと引き換えに、大人たちも、お酒や、たばこ、ギャンブルを我慢したほうが、世の中のためになるんじゃないでしょうか。
こうして、ゲームを規制して、eスポーツの普及が遅れることにより、またも世界から後れを取る気がします。
大谷翔平選手は、通訳の水原一平さんによると、MVP発表直後にも筋トレをしていたそうです。ほとんど、野球依存ですw でも、批判はされませんね。なぜなら、その野球で大金を稼ぐことができるからです。
遠くない未来、eスポーツの選手が、大金を稼ぐようになったとき、まだ日本は今と変わらず、ゲーム障害と呼んでいるのでしょうか?
株式投資はギャンブル
大体の日本人は、株式投資はギャンブルで怖いものと思っています。確かに株式投資はギャンブル的にやろうと思えば、ギャンブル的にできます。
しかし、世の中には他にもギャンブル的なものがあります。例えば、生命保険もそうですし、住宅ローンもある意味ギャンブルです。ですが、それらは、ギャンブルとは言われないのに、株式投資はギャンブルと言われてしまいます。
その割には、ゼロリスクを謳った、詐欺まがいの金融商品に毎年多くの日本人が騙されています。リスクを取った見返りとして、リターンがあるのです。ゼロリスクでリターンがあるなどという、虫のいい話はありません。
ゼロリスクが好きすぎると、ゼロリスクの宣伝につられて騙され、かえって余計なリスクを負うという笑えないことになります。
何でこのリスクはOKなの?
日本人は、これだけゼロリスクが好きなのに、なぜか、不思議なぐらい無頓着にリスクを負っているものがあります。
自動車
当たり前ですが、自動車に乗っている時点で事故を起こす、または事故に遭うリスクを負っています。
ゼロリスク大好き日本人の割には珍しく、自動車は大目に見られています。この場合は、自動車を運転して事故に遭う、または事故を起こすリスクより、自動車を運転して得られる、時間に縛られない、遠くまで出かけられるなどのリターン(ベネフィット)を重視しているということです。
もちろん、リスクヘッジとして自動車保険があります。
しかし、高齢になり、自動車を運転するリターンより、事故などのリスクが高くなるのにもかかわらず、運転し続け、事故を起こし、多大な損害を被る、あるいは与えてしまうことも、高齢化社会になるとともに、増えてきています。
住宅ローン
住宅ローンはレバレッジなので、組むと資産のポートフォリオが、 不動産に偏ってけっこうなリスクを負うことになります。でも、大体の日本人たちは、あまり気にせずに住宅ローンを組みます。
リストラにあったり、夫婦共稼ぎでローンを返済する予定が、片方が病気して返済計画が破綻したり、と意外とリスクは高いと思います。
株式投資を毛嫌いする人でも、住宅ローンは平気で組むので、なんだか不思議な気がします。
保険好き
大体の日本人は投資を嫌うのに、なぜか保険は大好きです。
生命保険などは、自分の命を賭けたギャンブルのようなものとの説もあります。勝ったときには、被保険者はこの世にいないという、質の悪い冗談みたいです。
保険は保険会社という胴元が常に変わらないので、親(胴元)が変わる麻雀のほうが、保険より、まだフェアかもしれませんね。(ブラックジョーク)
ギャンブル好き
日本人は、世界一のギャンブル好きと言われています。パチンコ、競馬、競艇、麻雀。あとは、いろんな賭け○○がありますね。
ゼロリスク大好きなのに、なぜ株式投資は嫌いで、ギャンブルは好きなのか?これもまた、不思議です。
赤信号みんなで渡ればこわくない
結局、この無頓着にリスクを負うのは、「赤信号みんなで渡ればこわくない」という、日本人の思考の特徴ですよね。
みんながやっているものは、あまり深く考えずに自分もやるということです。自動車、住宅ローン、各種保険ですね。
でも、これは日本が景気が良かったころの話で今は時代が違うんですが、それでも、大多数の日本人たちは、自分たちの親がしてきたように、深く考えずに自動車、住宅ローン、各種保険に入っていますね。
なぜ日本人がゼロリスク思考に陥るのか?
セーフティネットが薄い
日本はセーフティーネットが薄いために、 なかなか、みんなリスクチャレンジがしにくい国だと思います。
そのためか、日本は、ほかの先進国と比べて、起業家の数が少ないですし、 起業しにくい環境といわれています。
セーフティーネットが、しっかり厚ければ、みんなリスクチャレンジすると思うんですけどね。
そのための生活保護なんでしょうけど、不正受給の問題など、いろいろとうるさく、あまり、気軽に申請できる雰囲気じゃないです。
ベーシックインカムの導入を期待したいですよね。
雇用の流動性がない
日本は、年功序列、終身雇用で雇用の流動性がないことから、リスクチャレンジしにくいのだと思います。
特に大変なのが、教員です。学校の先生は、激務です。日本の学校の教科は多すぎ、広範囲すぎだと思います。2020年度からは、プログラミング教育も始まったそうです。もう少し、教科は絞ったほうが効果的だと思うんですが。
日本の学校教育を、中世の錬金術に例えた方がいました。すべての生徒を”金”にしようとしていて、科学的ではないということでした。銀や銅を”金”に変えようとするのではなく、金銀銅それぞれの特徴を活かすことを考えたところから、科学が発展したとのことでした。
多くの先生は、仕事を家に持ち帰って、宿題づくりをしなければいけませんし、しかも、部活の顧問までしなくてはなりません。
激務に耐えかねて、心身を病み、中途退職する教員が増えています。
しかし、教員の転職は、なかなか難しいようです。塾の講師などは、向いていると思いますが、今まで、先生、先生と、呼ばれていた人がコンビニバイトなどの接客業は、なかなかむずかしいように思われます。変なお客さんも多いでしょうし。
それを、わかりながら、中途退職に踏み切る教員が多いということは、よほどのことですね。
かと思えば、教員という職業にしがみついている人たちもいます。いじめの隠蔽、いじめアンケートの紛失(廃棄?)などという卑怯なことをしてまでも、しがみつきます。
なぜなら、雇用の流動性のない日本で、不祥事が発覚して退職金をもらわずに教員をやめるのは、その後の人生が大変になるのがわかっているからです。
金融教育が遅れている
日本は、金融教育が遅れていると よく言われます。そのおかげで、株式投資はまるで悪い人が、やるもののように思われていますw または、ギャンブルのようなものと思われています。
その割には、詐欺まがいの金融商品にコロッとだまされたりします。これもまた、正しい金融知識がないためです。
あと、ビックリするのが「確定申告」を、日本は学校で教えないそうです。大体の生徒を将来的には、サラリーマンにして、税金を源泉徴収してやろうというのが見え見えですねw
あまり、国民がお金について賢くならないよう、金融知識をわざと教えないようにしているのではないか?と勘ぐってしまいますw
低い確率を過剰に大きく見積もる
日本人は、ゼロリスクを好むというよりは、低い確率を過剰に大きく見積もる、思考のクセみたいなものがあるのが、特徴だと思います。
つまり、リスクだろうが、リターンだろうが、本来は確率の低いものを大きく感じてしまうということです。
これだと、日本人のギャンブル好きや、宝くじ好きも納得です。
雷に打たれて死ぬぐらいの当選確率しかない宝くじなのに、まるで、明日には億万長者のように錯覚して、毎回せっせと宝くじ売り場へ足を運ぶのです。
低い確率のリスクを過剰にとらえて、ムダな対策をして疲れてしまったり、これまた、低い確率のリターンに過剰に期待し、逆に損失を出してしまう。
株式投資なども、長期投資、インデックス投資などのある意味、地味なほったらかし投資よりもトレードなどの、どちらかというとギャンブルに近いような 短期投資が日本では好まれます。
これもまた、BNFさんやCisさんのような、ごく少数の成功者に自分もなれると錯覚することからだと思います。
また、医療でも日本人はゼロリスク信仰があります。
医療というものは、少ない確率ですが残念ながら、医療事故があります。医療にも、リスクとリターンみたいなものがあるわけです。
しかし、その少ない医療事故の確率に囚われ、恐れた結果、医療のゼロリスクを志向し、人によっては似非医学に走る人もいます。そうした、似非医学によって命を落とす方もいます。
例えば、コロナワクチンを拒否し、民間医療に頼った結果、新型コロナウイルスに感染して、亡くなった人もいます。
これなども、ゼロリスクを追求しすぎて、逆にリスクが高くなるパターンだと思います。
両極端から両極端に走る
これは、日本人の良いところでもあり、悪いところでもあります。一か八か思考、または、ゼロか100か思考です。
世界と比べると、コロナ対策で後手後手の日本でしたが、今では、ワクチン接種率が世界でも高い国になりました。
ゼロにこだわるくせに、いざとなったら、ちゃんと100を達成する力があります。
明治維新でも、あれだけ尊王攘夷と外国勢力をゼロにする活動を熱心にしていたかと思えば、気づくと開国をし近代化を進めました。
今の日本の政治は、右派の与党と左派の野党がハッキリしすぎています。中道が無いんですよね。まあ、前回の衆院選でようやく、各政党の中では、中道といえる日本維新の会が議席を伸ばしましたが。
あと、よくあるのが、今までゼロリスク思考だった人が一念発起して株式投資を始めたのはいいんですが、なぜか極端なハイリスクの投資をしたがるんですよね。
「オレも億万長者になるんだ~っ!」って、信用取引を使ってハイレバ投資をしたり。
そんで、暴落にあって借金しょって、せっかく始めた投資もやめて、「株式投資は怖いからやめたほうがいい」とか言い出すんですよね。
銀行に預けておくよりはマシ、ぐらいの感覚で投資したほうがいいと思うんですけどね。日本人はなんか、真ん中が無いんですよ。
今期の大谷翔平の活躍はリスクチャレンジしたからこそ
大谷翔平選手の野球人生はリスクチャレンジの連続です。まず、二刀流自体がリスクチャレンジですね。
バッティングが悪ければ、投手に専念しろと言われ、ピッチングが悪ければ、やはりバッターだと言われ。
二刀流は、ほとんどのOBたちの反対にあいました。その、OBたちの言うことを聞いて、大谷選手が二刀流をやめていたらと想像するとゾッとしますね。
メジャーでも二刀流を貫きました。それらのリスクチャレンジの結果が今シーズンの成功です。つまり、リスクチャレンジをしたからこそのリターン(ベネフィット)なわけです。
MVPを受賞した大谷選手は、MLBネットワークの番組内で、
「(二刀流を)日本で最初にやるとなった時よりは、アメリカに来た時の方が受け入れられる雰囲気というのがありました。それは感謝しています」
と語っています。
やはり、日本よりアメリカのほうが、リスクチャレンジするものを評価するようです。
リスクを取らないリスク
ゆでガエル現象というのがあります。
茹でガエル現象(ゆでガエルげんしょう)、茹でガエルの法則(ゆでガエルのほうそく)とは、ビジネス環境の変化に対応する事の重要性、困難性を指摘するために用いられる警句のひとつ。「カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い最後には死んでしまう(茹でガエル)」という作り話が由来。
今では否定されている実験ですが、現在の日本人の状態を表すのにピッタリです。
徐々に熱くなっているお湯から、飛び出すことを恐れ、じわじわと茹でられていることに気づきません。
今の状況から、怖がってジャンプして脱出するリスクチャレンジしないことにより、じわじわとゆでガエルになっていきます。まさに、リスクを取らないリスクですね。
最近は、円安になっています。この円安を悪い円安と指摘する声もあるようです。
ガソリンや灯油の値上がりにつながりますし、何より、円安は円の価値の下落ですから、資産を円でしか持っていない人は、その資産が目減りしていることになります。
ですが、わたしの資産のほとんどは、米国株です。円安時は外貨資産を円貨換算した場合、金額が増えます。つまり、今のわたしは持ち株の含み益が増えています。
しかし、多くの日本人が、リスクを取ることを嫌い、株式投資(特に米国株)をしないので、今のような悪い円安になったとき、じわじわとゆでガエルのように危機に近づいて行っているのですが、多くの日本人はそれに気づいていません。
逆張り戦略
その国全体がうまくいっているときは、多くの人の生き方を参考に、生き方を決めていくのは理にかなっています。日本の場合は高度経済成長期時代とかですね。
70~80年代の日本は経済大国で、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本も出版されるほどでした。その時代に不登校になり、ニートになったわたしは、その輝かしい社会から取り残されて、非常に肩身が狭いものでしたw
わたしは、その時の日本に憧れていました。いつか、ニートから脱して、普通の社会人になって、この憧れの日本で生きていけたらと願っていました。
しかし、今の日本は違います。失われた30年と言われています。ニート時代のわたしが憧れたあの輝かしい日本は消えてしまいました。
こういう時代では、多くの人たちの生き方を参考にせず、逆張り戦略で生きていったほうが、のちのち後悔しないのではないかなと思います。
なので、多くのゼロリスク大好き日本人が嫌う株式投資をするのは良い選択肢だと思います。
たった数%の低い確率を、過剰にとらえて異様に恐れたりしないよう、リスクとリターンのバランスを考えながら、生きていきたいですね。