こんにちは。カズゥです。
わたしは、安藤サクラ主演「まんぷく」から 朝ドラを見始めたにわかです。
「カムカムエブリバディ」は面白かったですけど、その他の新しい朝ドラが始まるたびに、わたしの中の朝ドラランキングの最下位が毎回更新されていきますw
これは、わたしだけではなく、今期の朝ドラ、「ちむどんどん」が各ネットニュースなどで評判がイマイチなようです。
そこで、今回はわたしの「ちむどんどん」のグチを書きたいと思いますw
ちむどんどんのここがイヤだ!
起承転結の転が無いかテキトー
「ちむどんどん」の世界では、起承まで進んだあとの転が無いか、または、テキトーなことが多いです。
例えば、始まってすぐのエピソードで言うと、
起:主人公の暢子(演:黒島結菜)が幼いとき、父親の賢三(演:大森南朋)が若くして亡くなりました。
承:暢子は東京の親戚の家に引き取られることになりました。
転:無し。
結:暢子は東京には行かないと決心し、結局、親戚の家には行きませんでした。
当然、東京の親戚の家に引き取られ、 幼い暢子が苦労するエピソードが展開するんだろうなと思っていると、まさかの、東京には行かない展開に、行かんのかい!とTVにツッコんでしまいました。
起:暢子の母、優子(演:仲間由紀恵)に再婚話が持ち上がりました。
承:きょうだいたちで集まって相談します。
転:無し。
結:結局、優子は再婚しませんでした。
暢子の母の優子に再婚話が持ち上がります。朝ドラのヒロインの親が再婚するのは、あまり見たことが無いので、その後の展開が見てみたいなとは思いつつ、このころになるとわたしも、このドラマに慣れ、多分再婚はしないだろうと予測していましたw
案の定、再婚はせず、このエピソードは果たして、必要だったのか?と疑問を抱きました。
よく、小説家などが登場人物が勝手に動き出すなんて言いますよね。
作者が思い描いていない、意図していない行動を登場人物がとり、ストーリーが思いがけない方向に動いたりします。大体は良い意味で使われます。
しかし、このドラマでは、登場人物が勝手に動き出しそうになると必死で止めますw
たぶんですが、ストーリーが広がると、めんどくさいので、脚本家(演出家も?)が物語を転回させないで、いつもの日常に収束するようにしているのだと思います。
その結果、ストーリーになんの意外性もなく、予想がつくのでイマイチになっているのだと思います。結局、こういったカタルシス無しのストーリー展開って、ただの尺稼ぎだなと感じて興ざめです。
次は”転”がテキトーなパターンを見てみましょう。
起:暢子の姉、料理が苦手な良子(演:川口春奈)が沖縄のお盆の料理の 御三味(うさんみ)をつくることになりました。
承:良子は暢子に電話でアドバイスを求め、料理に悪戦苦闘します。
転:初登場のおばぁ、ウシの一喝。
結:一気に解決。
初登場のキャラの一喝で物事が解決するってテキトー過ぎません?
では、もう一つの例を。
起:暢子が働いているイタリアレストランの フォンターナにやくざものの嫌がらせが相次ぎます。
承:相次ぐ嫌がらせに店の皆が疲弊していきます。
転:実は、やくざものは、常日頃から、暢子を見守ってくれている沖縄県人会会長の平良三郎(演:片岡鶴太郎)に昔世話になったことがありました。
結:これまた、鶴ちゃんのまさに鶴の一声で解決するのでした。
デウス・エクス・マキナという、演出技法があります。
古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在(神)が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、 物語を収束させるという手法を指した。
簡単に言うと、最後に強い人が現れ、一気に解決するというものです。
有名なのは水戸黄門ですね。あとは、ドラえもんでジャイアンの母ちゃんが最後に登場してジャイアンを叱って解決みたいなやつですね。
あまり多用すると、安易な解決なので、好ましくないとされています。
しかし、「ちむどんどん」ではこのように多用されています。鶴ちゃんは、すでに登場しているのでまだいいですが、初登場のおばぁの一喝で解決するのは、反則じゃないですか?w
スゲー電話する
この朝ドラは、まだスマホが無い時代なのに、 スマホ感覚で黒電話でしょっちゅう電話します。
あの時代だと、沖縄、東京間の電話代は、けっこう高いはずです。それでも、何か、困るとすぐ電話します。とても、お手軽感覚で電話します。
どのくらい、お手軽かというと、暢子の結婚相手の和彦(演:宮沢氷魚)の母、重子(演:鈴木保奈美)への結婚報告を電話で済ますくらいお手軽です。しかも、言い出したのが和彦ならまだしも、暢子が言い出します。
この場面、結婚報告はきちんと対面で会って報告しなさいよと呆れました。
これもまた、場面を変えるのがめんどうなので、電話で済ませている感じです。
悪人がでる
意外と悪人がでます。前述したやくざものもそうですが、あまり、朝から悪人は見たくないです。けっこう、人を殴るとか暴力的なシーンがあります。
しかも、フォンターナに嫌がらせをする役者さんたちは、失礼ながら知名度のある方たちではないので、演技が生々しく、なんか、ドキュメントを見せられているような、嫌な気分になります。
これが、例えばサンドウィッチマンの伊達ちゃんとかなら、フィクションだよなって安心なんですけどね。
あと、悪人を出して、その悪人がやっつけられるという、物語の見せ場をつくるのは、やはり安易な気がします。なるべく、悪人を出さないで見せ場をつくるのが、脚本家の腕の見せ所ではないでしょうか(えらそう)
あと、前述した三郎がやくざものを一喝して、嫌がらせをやめさせるエピソードは三郎が昔に世話をしたやくざものの割には更生していませんし、三郎の力で、嫌がらせをやめさせるということは何か裏社会と三郎の繋がりを感じさせるので、朝ドラには、あまり、ふさわしくないエピソードだと思います。
沖縄の良さを出せていない
これが一番の問題で、沖縄の良さが出せていません。
沖縄の何とかなるさの精神、なんくるないさーを暢子の兄、ニーニーこと、賢秀(演:竜星涼)で表現しているならば、言葉の意味を悪い意味でとらえている気がします。
あと、物語を無理矢理、盛り上げるために、主人公たちに難癖をつける人たちが多く、なんか、沖縄の人たちのイメージダウンにつながっている気がしますw
この傾向は、前々作の清原果耶主演「おかえりモネ」にもあって、物語を盛り上げるために、主人公のモネに難癖をつける人が多く、宮城の人たちが、なんか性格悪そうに見えてしまうのが残念でした。
あと、暢子と和彦の披露宴を、暢子が働いているイタリアンレストランのフォンターナで挙げました。一応、フォンターナのオーナー房子(演:原田美枝子)と三郎を対面させたいかららしいですが、そんなの、どうでもいいです。
なぜ、沖縄の青い海の前で挙げないのでしょうか?せっかく、琉装までしたんだから、沖縄の青い海の前で挙げるべきです。たぶん、沖縄ロケがめんどくさかったんでしょうw
こんな朝ドラは気をつけろ!
前述したようにわたしは、「まんぷく」から朝ドラを見始めたにわかです。そんなわたしですが、朝ドラがイマイチな時の傾向に気づきました。
尺稼ぎがスゴイ
とにかく、長丁場の朝ドラです。エピソードが思いつかないときは、あの手この手を使って尺稼ぎをします。前述した、「ちむどんどん」のオチのないエピソードもそうです。
なぜか、朝ドラの世界では職業がダンサーや、歌手志望、楽器演奏者などの音楽関係者が多いです。
例えば、広瀬すず主演の「なつぞら」では、岡田将生がダンサーでしたし、上白石萌音、深津絵里、川栄李奈三人主演の「カムカムエブリバディ」では、濱田岳がダンサーでした。
どちらも、主人公の兄役です。
戸田恵梨香主演の「スカーレット」は音楽とは縁がなさそうな、陶芸の世界の物語なのに、なぜか元TKOの木本が歌っていましたw
「おかえりモネ」では、モネは学生時代に吹奏楽部でしたし、父はトランペット奏者でした。
もちろん、「ちむどんどん」でも、三女の歌子(演:上白石萌歌)が、「翼をください」を歌いまくりますw
これは、なぜかというと、尺稼ぎ要員なのです。
良いエピソードが思いつかないときは、歌って踊って尺を稼ぐための、保険なのです。なので、主人公の親類縁者にダンサーや、歌手志望がいるときは、要注意ですw
もちろん、主人公が作曲家の窪田正孝主演の「エール」や劇団が舞台の杉咲花主演の「おちょやん」は、どうしても歌や舞台が多くなるので、当てはまりませんけど。
しかし、カムカムは個人的には面白かったですし、世間一般の評価も高いのでこの例は、一概には言えませんね。
ちなみに、最近の「ちむどんどん」では、暢子の婚約者の和彦の母(演:鈴木保奈美)が、なぜか、中原中也の詩集を朗読します。あまり、意味はありません。
あとは、回想シーンで尺稼ぎをするという方法もあります。
「おかえりモネ」では、なんと、両親の馴れ初めという、誰も知りたくないエピソードを回想しました。
もちろん、「ちむどんどん」でも、両親の回想シーンがあります。それは、まだ両親だからいいのですが、三郎と房子の回想シーンまでありました。
いくらなんでも、振り返りすぎです。しかも、その回想シーンのクオリティが無駄に高いです。これだったら、両親が主役で良かったんじゃないでしょうか?
悪人がでる
前述したように、朝ドラで悪人がでてくると、一日、気分が悪いです。悪人が出なくても、エピソードを作れる「サザエさん」を見習ってほしいです。
登場人物のキャラが突然変わる
ご都合主義のストーリーのため登場人物のキャラクターを簡単に変えてしまう脚本があります。もう少し、自分たちがつくった登場人物は大事にしてほしいです。
例えば、「おかえりモネ」では、気象予報士の朝岡(演:西島秀俊)が宮城にいたときは、朗らかだった性格が東京編になると、気難しい上司的なキャラクターに変わりました。
また、モネの同級生たちが、ドラマを盛り上げるためか、モネに突然、厳しい言葉を投げかけたりしました。同級生が突然意地悪になったので、見ていてビックリしました。
「ちむどんどん」でも、フォンターナを辞めた矢作がキャラが変わり、やくざものになって再登場したり、房子がクールな女性オーナーだったのに鶴ちゃんを見てドキドキする乙女になったり、あれだけ、暢子と和彦の結婚に反対した、重子が二人の結婚が決まったとたん、自分のことをしーちゃんと呼べという、キャラになったり、要するに、尺稼ぎのストーリー、(レストラン修行、結婚反対を乗り越える)が 終わったので、お役御免ということで、嫌われキャラから好かれるキャラへと変更したのでしょう。
原田美枝子と鈴木保奈美の演技力で救われていますが、もう人格破綻しています。
結局、脚本家も演出家も登場人物をストーリーを回す”駒”程度にしか、思っていないのでしょう。
もう少し、自分たちのドラマの登場人物ぐらい愛情を持ったほうがいいんじゃないでしょうか。
主人公が蚊帳の外に置かれがち
主人公なのに、蚊帳の外に置かれ 傍観者になってしまうことがあります。
杉咲花主演の「おちょやん」では、主役のお千代ちゃんをほったらかしにして、劇団内の勢力争いをしつこく描いていました。
「おかえりモネ」の終盤では、モネの同級生のりょーちん(演:永瀬廉)とその父(演:浅野忠信)との親子の葛藤が展開され、最終回のおいしいところもりょーちんに持っていかれ、主人公は誰?状態でした。
「ちむどんどん」でも、長女の良子や三女の歌子、または両親のエピソードが展開され、暢子の影が薄いときがあります。
何かの節目に合わせた作品
基本的に何かの節目に合わせた作品は、イマイチになることが多いです。
「なつぞら」は、朝ドラ100作品記念にふさわしい出来とは思えませんし、東京オリンピックに合わせた「エール」も、新型コロナに見舞われるという、不運もあり、それを乗り越えましたが、完成度は高いとは思えません。
また、朝ドラではありませんが、同じく、東京オリンピックに合わせた大河ドラマ「いだてん」は大河ドラマ史上最低視聴率をたたき出してしまいました。
「ちむどんどん」も沖縄本土復帰50周年記念のドラマです。
なぜ、節目に合わせた作品がイマイチになりやすいかというと、やはり、モチベーションが低いからだと思います。
こんなドラマがつくりたい!という、情熱を持った人たちが集まった作品はモチベーションも高く、作品のクオリティも高いと思います。
しかし、作品のきっかけが、例えば何かの何十周年を祝ってのものとなると、集められた人たちのモチベーションが低く、義務感でつくっているところがあるので作品のクオリティが上がらないのだと思います。
NHKは女性局長を誕生させるべき
なぜ、「ちむどんどん」がイマイチかまとめると、沖縄本土復帰50周年の記念で朝ドラの企画が立ち上がり、集められたスタッフが沖縄に興味がなく義務感でモチベーションも低く、ただただ、尺稼ぎをしているからといえるでしょう。
ちなみに、最近の「ちむどんどん」では、 ニーニーがねずみ講を始めたようですwニーニーが怪しいビジネスに手を出すのは、これで3回目ぐらいです。同じようなエピソードを繰り返して、尺稼ぎするのはうんざりします。
嫌なら見なければいいという意見もありますが、 NHKにはそれは当てはまりません。なぜなら、家にテレビがある限り、「ちむどんどん」を見ても見なくても受信料を取られるからです。
ならば、「ちむどんどん」を見て文句を言ってもいいはずですw
NHKはデコーダー制にしてほしいです。それならば、「ちむどんどん」を見なくても済むからですw
そんな朝ドラですが、制作陣がノリノリになるパターンがあるんですよね。それは、偉人の妻パターンです。
水木しげるとその妻を描いた「ゲゲゲの女房」、竹鶴政孝とその妻を描いた「マッサン」、安藤百福とその妻を描いた「まんぷく」などです。
夫に寄り添う妻パターンを描くときは、なんか、制作陣がノリノリなんですよね。
まるで、太陽である夫が輝くから、月である妻が輝くのだと言っているように感じます。
なんか、NHKからは、女性を下に見ている感じを受けます。
これからの時代は女性も働く時代、みたいに、セリフで言わせますが、白々しいんですよね。だって、よく主人公が蚊帳の外に置かれがちですから。
朝ドラ『ちむどんどん』の苦境 「脚本チーム制」が裏目に出たか
この記事を読む限り、「ちむどんどん」は料理のわからないおじさん3人で構想を練ったようです。そりゃ、おもしろくならないはずです。
上記の記事にもある通り、何カ月もの間、暢子は髪の毛をアップにしないで、厨房に立ち続けました。
女性キャストと女性スタッフはそのおかしさに気づいていたはずです。でも、女性陣が男性制作陣に、物申せない雰囲気がNHKには漂っているんでしょうね。
そういえば、元NHKの神田愛花さんがNHKの上司との面談で、将来の目標を聞かれ、「NHKの会長になりたい」と発言したところ、苦笑されたそうです。
女性がNHKの会長になって何が悪いのでしょう。
朝ドラのメイン視聴者は女性が多いのでしょうから、ほんと、NHKは女性局長でも誕生させない限り、最低朝ドラをどんどん更新していくんじゃないでしょうか。