ニートの生き方

【ニートの生き方】DMN(デフォルトモードネットワーク)を日本人は嫌うがボーっとする時間は必要

こんにちは。カズゥです。

みなさんはDMNってご存知ですか?DMMじゃないですよ。

DMNとはデフォルトモードネットワークのことです。

デフォルトモードネットワークとは?

デフォルトモードネットワークをとても簡単に言えば、脳のデフォルトモードです。(そのまま)

人間は何かに集中しているときに、当たり前ですけど、脳が活発化します。しかし、人間の脳には何もしていないとき、つまり、ボーっとしているときにも、逆に活発化する脳の領域があるんです。 それは、脳のアイドリング状態ともいえます。

では、人間がデフォルトモードネットワークのとき(ボーっとしているとき)脳は何をしているかというと、無意識のうちに過去の記憶の整理と、未来のシミュレーションをしているそうです。

その、デフォルトモードネットワーク(以下DMN)の状態のときの脳のエネルギー消費量は、なんと60%〜80%にもなります。このエネルギー消費量は、何かに集中しているときよりも多いらしいんですよ。
1日ヒマで、ボーっとしているのも、なんだか疲れるときがありますよね?そのときは、脳がDMNなのかもしれないです。

集中するよりも、ボーっとしているときのほうが、エネルギーを消費するのは、なんか不思議ですね。でも、確かにハマっているゲームは、何時間プレイしても疲れないですもんね。

この、DMNとは反対の外部のものに集中しているときの状態を、アテンションネットワークといいます。
この2つは、シーソーみたいな関係で、一方が活発だと、もう片方は不活発になります。

ボーっとしているのに、エネルギーを消費する。これだけ聞くと、DMNは悪者のように感じてしまいますが、ちゃんとメリットがあります。

DMNは、過去の記憶の整理と、未来のシミュレーションをするので、そこから、新しいアイデアが生まれることがあります。

 

古代中国では良い考えは三上(さんじょう)から生まれると言われています。

  • 馬上:馬に乗っているとき、乗り物に乗っているとき、移動時。
  • 枕上:寝床に入っているとき。
  • 厠上:厠(かわや)、トイレにいるとき

このように、良いアイデアが浮かぶときは、大体、ボーっとしているときです。

アルキメデスがアルキメデスの原理を、発見したのもお風呂の中でしたし、ニュートンが万有引力の法則を発見したのも、木からリンゴが落ちたのを見たときでした。

どちらも、ボーっとしているのに近い状態ですね。

日本人はDMNを嫌がる

わたしの個人的な考えとして、日本人はDMNを嫌がる傾向があると思ってるんですよね。つまり、ボーっとしている状態を日本人は嫌がるということです。

それはなんでかというと、日本人はセロトニンを作りにくいSS型遺伝子を持っている人が多く、世界一不安を感じやすいからです。

DMNの記憶の整理と未来のシミュレーションが、うまく働けば新しいアイデアが生まれますが、日本人の場合は、ボーっとしていると過去の嫌な記憶の反芻思考や、将来への不安に陥ってしまいやすいため、ボーっとする状態を嫌がるんではないかと思っています。

もちろん、うつ的思考とDMNの関係はまだ研究の途上なので、これは、あくまでも、わたしの個人的な印象です。

 

みなさん、小さい頃から、ボーっとしていると、 「ボーっとするな!」と怒られることのほうが、家庭でも、学校でも多かったと思うんですよねw

学校では、勉強はもちろん、各種行事、部活、帰宅してからは宿題。夏休み、冬休みはそれぞれ、宿題がありますね。とにかく、ボーっとさせてくれません。

就職してからも、給料以上に働かされたり、サービス残業で帰宅後のボーっとする時間も削られてしまいます。

帰宅後のせっかくボーっとできる時間も、現代ではスマホをいじることに費やされ、ボーっとできません。
スマホはアテンションネットワークが活発になるそうです。

趣味も、YouTubeを見たり、ゲームをしたり、SNSに書き込んだり、DMNではなく、アテンションネットワークが活発になるものばかりなんですよね。

Z世代は音楽のイントロを飛ばしたり、動画を1.5倍速で見たりと忙しく、ボーっとしているヒマもなさそうです。

しかし、現代日本人はそれを良しとしている面もあります。

前述したように、ボーっとするヒマがあると、日本人は余計なことを、あれこれ考え、うつ的思考に陥りやすいからです。

また、何かに集中しているアテンションネットワークのほうが、脳のエネルギー消費量が少なく、実は脳にとっては楽だからです。

その証拠に、不必要になった社員を退職に追い込む嫌がらせに使われるのが、追い出し部屋と呼ばれるヒマな部署に追いやることです。

日本人にとっては、忙しくさせることよりも、ヒマにさせる(ボーっとさせる)ことのほうが、より効果的な嫌がらせなのです。

DMNを嫌うためイノベーションが起きない日本

日本人は、学生時代は勉強、勉強。就職してからは労働、労働で、ボーっとさせませんし、 自らも、ボーっとしたくない国民性です。

デフォルトモードネットワークで、ググってみてください。
多くのサイトは、DMNのメリットを説きつつ、マインドフルネス(瞑想)などによっていかにDMNを抑えるかが書かれています。

わたしの個人的な考えでは、日本人はボーっとしなさすぎだと思います。

その結果、日本は労働者は多いですが、イノベーションを起こすアイデアを生み出す人物が少ないと思います。

 

古代中国では良い考えが生まれるのは三上と前述しましたが、漢の時代に司馬遷によって、編纂された歴史書の「史記」を読んでみると(もちろんマンガ)英雄は若いときに、意外とブラブラしているんですよね。

孫子の兵法で有名な孫子は、畑仕事を妻に任せっきりで諸国を巡る旅をしていますし、後の漢の高祖、劉邦は四十代になるまで、定職に就かず飲み歩いていました。

封神演義で有名な太公望こと、呂尚は、書物は読みますが、白髪になってから妻に家から追い出されるほど、商売下手な人でした。することもないので、釣りをしているところを後の周の文王にスカウトされるわけですがいかにも、ボーっとしてそうです。

しかし、中国が共産主義になってからは労働、労働で英雄が出現しなくなり、 国力も落ちてしまいました。中国はずーっと長い間大国だったのに、アヘンと共産主義の時代は自滅で国力が落ちました。

しかし、資本主義を取り入れてからの中国は大国に返り咲きましたね。

アリババ、バイトダンス、ファーウェイ、シャオミ、BYDなどの大企業が生まれました。といっても最近は、習近平の独裁体制に拍車がかかり、共同富裕の思想により、株価も下落、中国の将来にも暗雲が垂れ込めていますが・・・。

まあ、しかし、その中国と比べると今の日本は、労働、労働で、中国よりもずっと共産主義国のようですw

みんなで一生懸命働いても、みんなどんどん貧しくなっていきます。イノベーションを起こせる人がいないので、みんながその恩恵にあずかれません。

トリクルダウンは起きませんし、そもそも、風が吹かないので桶屋ももうかりません。

DMNを嫌うためシミュレーションが苦手な日本人

ちなみに、日本人は未来のシミュレーションも苦手です。

過去の記録を整理して、仮説を立てて、 シミュレーションをして対策することが 苦手です。

過去においても、例えば、アメリカとの戦争は冷静にシミュレーションができていたら、絶対に勝ち目がないので、避けているはずの戦争でした。

少子高齢化問題も、シミュレーションが下手なため、有効な対策をすることができないまま、20年もたってしまいました。

将来の年金問題も、どう考えても破綻確実なのに、シミュレーションせずに、やみくもに社会保険料の天引き分が増えていき、サラリーマンを苦しめています。

国の新型コロナ対策も、2009年に流行した新型インフルエンザの教訓も活かせず、行き当たりばったりの対策ばかりでした。

 

また、 個人もシミュレーションが、苦手です。

2019年の老後2000万円問題も、シミュレーションしてみればいいのに、なぜか、みんながブチ切れて終わってしまいました。

たぶんですが、多くの日本人はそのうつ的になりやすいSS型遺伝子のため、物事をまず悲観的または、否定的にとらえます。
そのため、過去を分析するとトラウマがよみがえり、未来を想像すると不安になるためシミュレーションが苦手なのだと思います。

また、その物事をまず悲観的にとらえるクセで、新しいものにも弱いです。あのiPhoneでさえも、出始めの頃はネットで散々な評価でした。

 今度、中国の自動車メーカーのBYDがEV(電気自動車)を引っ提げて日本に参入してきますが、今のところは、バッテリーの爆発が怖いなどと評価はイマイチです。

でも、たぶん、iPhoneと同じように何年後かには、みんな乗っていると思いますw

突然のDMNの増加はうつ的になる

このように、DMN状態、ボーっとすることが嫌いな日本人ですが、コロナ禍により、職を失った人たちが、 突然ボーっとする機会が増えてしまいました。

日本人はボーっとすることに慣れていないため、突然、ヒマになるとうつ的になることが多いです。悲観的に考えることの多い日本人は自分の未来に不安を感じて、自ら命を絶ってしまい、悲しいことに自殺率が上がってしまいました。

 

また、勉強をがんばって良い大学に入り、 良い会社に入り、ボーっとするヒマもなく、一生懸命働いてきた人が定年退職をすると、ボーっとするDMNになる機会が多くなります。すると、ヒマつぶしに見たYouTubeで、陰謀論の動画を見てしまい、ネトウヨになってしまうこともあります。

アイデアが浮かぶようになるのは、DMNのメリットでもありますが、そのアイデアが必ずしも正しいものかどうかわからないのが、DMNのむずかしいところでもあります。

 

では、ニートの場合はどうでしょうか?

生まれつきのニートはほとんどいなく、大体は何か挫折をしてニートになる場合が多いと思います。これもまた、突然のDMN状態なわけです。

前述したように、何かに集中しているよりも、ボーっとしているDMNのほうが、脳のエネルギーを消費します。

ボーっとするほうが、疲れますし、前向きな気持ちで、過去の記憶の整理と未来のシミュレーションをするわけではないので、その結果、うつ的になってしまうかもしれません。

ニートがゲームにハマるのもよくわかります。そのほうが、DMNでボーっとするよりも、脳が疲れないからです。

ニートがゲームにハマるのは、自分で自分を癒す、セルフケアなのかもしれません。

日本人は適度にボーッとする時間が必要

日本人は、いきなり長時間のDMNを与えられると、慣れていないため、うつ的になってしまいます。

日本人は勤勉とされていますが、勤勉というよりも、DMNを嫌うため、常に何かに集中していないと不安になる国民性なのだと思います。

なので、わたしは個人的に日本人は、DMNに慣れるため意図的にボーっとする時間を増やすべきだと思います。

学生時代の夏休みや、冬休みは宿題を無くしたほうが良いと思いますし、学校でも仕事でも、お昼休みに短時間の昼寝を取るシエスタを導入しても良いと思います。

日本では馴染みがありませんが、欧米ではギャップイヤーというのがあります。これは、高校を卒業したあと、大学に進学する前の自由時間(1年間ぐらい)のことです。
まあ、留学やボランティア活動などをするので、ただ、ボーっとする時間ではありませんが、日本にもこういう期間があってもいいと思います。

プロジェクトあってこそのDMN

ここで疑問に思うのは、ニートや、追い出し部屋おじさんはボーっとする時間がたっぷりあるのに、良いアイデアが浮かばないのは、なぜかです。

それは、やはり何らかの自分のプロジェクトがあるかどうかだと思うんです。

 

古代中国の英雄も、世に出る前、ただブラブラしていたわけではなく、そこには何らかの自分のプロジェクトがあったのだと思います。

孫子が諸国を巡っていたのは、ただの観光ではなく諸国の情報を収集していたのかもしれませんし、劉邦が飲み歩いていたのも、人脈をつくっていたのかもしれませんし、呂尚は知識を蓄えていたのかもしれません。

 

普段、プロジェクトに集中しているからこそ、休憩などで、ボーっとしているDMN時に脳は活発に働き、何らかのアイデアを与えてくれるのだと思います。

要はバランスですよね。 デフォルトモードネットワークとアテンションネットワークのちょうどいい切り替え。

プロジェクトなきDMN、ただのボーっとする時間は、多くの日本人にとっては過去の記憶の整理と未来のシミュレーションがネガティブに働き、後悔と不安に囚われてしまうかもしれません。

なんとなく、つまらない結論になってしまいますが、人間はやはり、何らかの自分のプロジェクトを持って生きるのがいいということですね。

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA