こんにちは。カズゥです。
大谷翔平のホームランは、野球ファンのみならず、それ以外の人たちをも魅了しています。
彼の打球が飛び出す瞬間には、誰もが息を呑む。
では、なぜ彼のホームランはこれほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか?これを考察してみたいと思います。
野球というスポーツの特性
「野球は失敗するスポーツ」と言われることがあります。
特に打者にとって、打率3割を超えれば優秀とされますが、3割というと10回中7回は打てないわけです。
メジャーリーグの2024年の平均打率は2割4分1厘。つまり、10打数のうち、ヒットを打つのは約2.4回に過ぎません。
このように、野球は成功より失敗が目立ちやすいスポーツです。さらに、打率は「安打数÷打数」で計算され、打数には四死球や犠打などは含まれません。
したがって、実際にバットに当たる機会はさらに少なくなります。
大谷翔平の特異性とホームランの魅力
大谷翔平は「二刀流」で知られていますが、攻撃時にはDH(指名打者)として出場します。
そのため、投手で出場する以外は、守備の機会は少なく、他の選手に比べてプレイ機会が少なく感じられることがあります。さらに、大谷選手は四球が多いため、実際に打撃を行う機会がさらに限られています。
こうした背景から、ずーっと大谷選手の試合ばかり見ていると、不思議なことに観客はしばしば「大谷選手があまり打っていない」と感じることがあります。
これは、もちろん錯覚です。あとで成績を振り返ると、彼の驚異的な活躍に気付かされます。
実は、このプレイ時間の少なさが、大谷選手のホームランが人々を魅了する理由の一つです。
観戦している人たちは、大谷選手の出番が少ないことにフラストレーションを感じ、そのフラストレーションが溜まったところで、彼の豪快なホームランが飛び出します。これにより、観客は一気にスカッとするわけです。
サッカーとの類似性
ここでちょっと唐突ですが、サッカーの話をします。
サッカーは、皆さんご存知の通り、点が入りにくいスポーツです。
野球は点を取って、取られ、シーソーゲームを楽しむところがあります。なにせ、野球で一番面白いスコアをルーズヴェルト・ゲームと言いますが、そのスコアは8対7ですからね。
でも、サッカーはそうはいきません。なかなか点が入らないスポーツです。
サッカーのルールは時折変更されますが、大いに得点を増やす方向にはあまり変更されません。
オフサイド関連のルールは、いくらか得点が入りやすいように変わったりするのですが、オフサイド自体は廃止されません。
サッカーというスポーツは、得点のシーソーゲームより、得点が入ったときのカタルシスを大事にしているのです。
点がなかなか入らないことで溜まるフラストレーションが、得点したときに一気に爆発し、観客に大きな喜びをもたらします。これがサッカーの醍醐味の一つです。
大谷翔平のホームランも、同様のカタルシス効果を持っています。プレイ機会が少なく、成功の瞬間が限られているため、彼のホームランが出たときの喜びは一層大きく感じられます。
これはサッカーの得点に匹敵するカタルシスをもたらし、人々を魅了するのです。
大谷翔平のホームランの特別さ
野球ファンはもちろんのこと、スポーツ全般に興味がある人々にとっても、大谷翔平のホームランは特別な瞬間です。
彼のプレイ機会の少なさからくる期待とフラストレーションが一気に爆発し、観客に大きな喜びを与えます。
このように、成功より失敗が目立ちやすい野球というスポーツにおいて、大谷翔平のホームランは非常に貴重な成功の瞬間です。加えて、二刀流としての独自の立場も彼のプレイを一層特別なものにしています。
大胆な仮説ですが、大谷翔平のホームランは野球でありつつも、サッカーのようなカタルシスを持ち合わせているのです。
この二重の喜びが、彼のホームランをこれほどまでに魅力的なものにしているのです。