こんにちは。カズゥです。
今回の読書感想文は、藤野英人著「ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!」です。
よろしくお願いします。
どんな本?
著者の藤野英人さんは、投資家で「レオス・キャピタルワークス」の代表です。「ひふみ投信」シリーズで有名ですね。
藤野さんは以前は付き合い程度にアルコールを飲んでいたそうですが、33歳で患った喘息をきっかけに「完全ゲコ」になったそうです。
「ゲコノミクス」とは、お酒を飲めない、飲まない、飲みたくない人=「ゲコノミスト」による「ゲコノミスト」市場の可能性、経済効果のことです。
最近の若い人はあまりアルコールを飲まなくなりました。「ゲコノミスト」はもはやマイノリティではありません。そして、今のウィズコロナ、アフターコロナにおいては「ゲコノミスト」向けのビジネスの需要は増えてきます。市場が開拓されれば新たな成長産業になると解説されています。
巻末には同じく「ゲコノミスト」の糸井重里氏とのゲコ×ゲコ特別対談もありますし、お酒が飲めない人あるあるもありますので、読みやすいのではないでしょうか。
印象に残ったところ
わたしが、一番印象に残ったのは第1章の3、『ビジネスチャンスとは「穴を発見して埋める」こと』です。
藤野さんが数々の起業家を見てきて思うのは、新たなビジネスは目新しいアイデアによってつくられるのではなく、「穴を発見し、それを埋める方法を考える」ことによって生まれているそうです。
優れた起業家とは、ほかの人が見落としている穴に気づき、それを埋めようとする人なのです。
穴というのは多くの人にとって風景の一部のようなもので、「見ているようで、見えていない」ものだといってもいいかもしれません。
藤野さんは「見ているようで、見えていない」ことを足場の広告で教えてくれます。ファッションビルの「ベルコモンズ」があった東京・青山通りの南青山三丁目交差点には、何十年にもわたって巨大な足場の野外広告が設置されていました。
「ベルコモンズの角に足場の広告があるの、知ってる?」と周りの人たちに尋ねてみましたが、その広告があることを認識している人はほとんどいなかったそうです。相当大きな広告なのにもかかわらずです。
ところが建築関係の人に限っていえば、全員その広告があったことを認識していたそうです。やはり自分の仕事に関係がある広告だから、「見える」ということです。
ものをきちんと見るというのは難しいもので、意識や関心を高めたり、知識をつけたりしなければ、目の前にあるものさえきちんと見ることができなかったりします。
当たり前の風景の中に「穴」はあります。その「穴」に気づき、どうやって埋めるかを考えることが、新たなビジネスチャンスを生むのです。
バイアスの眼鏡を多くかける
バイアスってありますよね。ある物事をバイアスのフィルターを通して見る。そして、それを取り除くのは難しい。
わたしは、この藤野さんの足場の広告のエピソードを読んで、バイアスを取り除くのではなく、むしろ、いろいろな興味や関心を持ち、知識をつけることによって、バイアスの眼鏡を多くかけることによって見えてくるものがあるのではないかと思いました。
ですので、これからも見えないものが見えるよう、知識をつけるために読書は続けていきたいなと思いました。
Uwe ConradによるPixabayからの画像