読書感想文

【読書感想文】サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット ボラティリティの激しい今だからこそ読みたい1冊

こんにちは。カズゥです。

いやー、最近の株式の相場は、ボラティリティがかなり激しいですね。
そんな時に、たまたま、読んだこの本、モーガン・ハウセル著『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』が、今の相場を生き抜くうえで、ピッタリな本でしたので紹介したいと思います。

運とリスク

まず、本は対照的な二人の比較から始まります。地味な清掃員のロナルド・リードとトップエリートのフスコーンです。

ロナルド・リードは投資界では、有名な人ですね。地味な清掃員だった彼は、92歳で亡くなったとき、800万ドルもの純資産を残していました。

そして、もう一人のリチャード・フスコーンはリードと正反対の人間。
ハーバード大学を卒業し、MBAを取得。メリルリンチのエグゼクティブに上りつめた、トップエリートです。
しかし、彼はその後転落人生を歩み、最終的には無収入になります。

著者はこのような逆転はファイナンスの世界にしか 起こりえないものと説明します。

他の世界では、学位もなく、専門的訓練も受けておらず、経歴も実務経験もなく、人脈もない人間が、最高レベルの学歴、専門的知識、人脈を持つ人間のパフォーマンスを上回ることなどあるだろうか?

なぜ、ファイナンスの世界では、清掃員のリードがトップエリートのフスコーンに負けない成果を出し得るのか?

それは、2つの理由から説明できるそうです。

1つは、「運」

経済的な成果は、知性や努力とは 無関係の「運」に左右される部分が大きいそうです。なんか、これわかる気がするんですよね。

最近、見た成田悠輔さんの切り抜き動画でも成功者の共通点は結局「運」のようなものと言っていました。

成田悠輔が行き着いた「成功者、幸せな人の共通点」特殊なスキルでも外見でもない。◯◯の癖をつけろ。切り抜き

イェール大学助教授の成田さんが言うんだから、間違いないかもしれませんねw

運とリスクは兄弟のようなもの。その例として、二人の人物をあげています。

ビル・ゲイツとケント・エバンス

幸運だったビル・ゲイツ

ビル・ゲイツが8年生(日本では中学2年生)の頃の学校には、コンピューターが導入されていたそうです。

これは当時、世界的に見ても、ごく珍しかったそうで、その確率を計算してみると、およそ100万分の一の確率だそうです。

つまり、コンピューターを導入できるだけの資金と先見性を兼ね備えたハイスクールに通っていたのは、全世界の高校生のうち100万人に一人しかいなかったそうです。

ビル・ゲイツは、たまたまそのうちの1人だったということです。

つまり、ビル・ゲイツはキャリアのスタートの段階で、かなり幸運だったのです。

リスクを避けることができなかったケント・エバンス

その、ビル・ゲイツの友人だったのがケント・エバンス。彼もビル・ゲイツに負けず劣らずコンピューターの腕前では引けを取らなかったそうです。

しかし、彼はハイスクール卒業前に登山中の事故で亡くなってしまいます。

ハイスクール在学中に山岳事故で命を落とす確率は、こちらもまた、およそ100万分の一だそうです。同じ偶然の力が同じ大きさで、逆方向に働いたのです。

人生は個人の努力を超えた大きな力に、左右されるということです。

もう1つは、「ソフトスキル」

経済的な成功は「ハードサイエンス(物理学や数学などの分野)」では得られない。

何を知っているかよりも、どうふるまうかが重要な「ソフトスキル」の問題。

化学や物理学のようなものではなく、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が大きく関わっている。

著者はこのソフトスキルを「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」と呼んでいるそうです。

ちょっと、わたしには難しいですが(バカ
たぶん、ファイナンスというものは、物理学や数学などのように唯一無二の答えがあるものではなくて、100人いたら、100人それぞれの答えがある、ということなんじゃないでしょうか。

だから、ファイナンスでは他人の成功の再現性が、むずかしい。

 

例えば、最近流行っている、レバナスですが、過去のNasdaqの値動きから見れば、理論的にはレバナスをガチホできれば、爆益なのはみんなわかっています。(未来も同じ値動きかは別として)

しかし、実際の暴落にあったとき、レバナスを買った人全員が、本当にガチホできるでしょうか?

ある人は、減り続けるレバナスの含み益にガッカリしてしまい、売却してしまうかもしれません。

ある人は、ほくそ笑みながら、暴落したレバナスをガチホどころか買い増しするかもしれません。

理論面ではレバナスガチホで爆益と、みんながわかっていても、心理面では、行動は人それぞれになってしまいます。

本書にある、”何を知っているかよりも、どうふるまうかが重要”というのは、こういう事なのかもしれませんね。

 

あと、どうでもいいんですが、 「運とリスク」の翻訳だと わかりにくく感じるところが、何か所かありました。「幸運とリスク」と訳したほうが、わかりやすくなった気がしました(えらそう

テールイベントの絶大な力

テールイベントというのは、簡単に言えば、数千〜数百万分の一の確率で起こる例外的な出来事のことです。橘玲さんの本によく、でてきます。

テールとは、結果の分布図の最後尾の部分を指す言葉です。テールの力とは、少数の事象が大部分を占めることがある、ということです。

優れた美術品商は、めぼしい作品があれば根こそぎ買うそうです。気に入ったアーティストの作品だけを、集中的に購入するのではなく、さまざまなアーティストの作品をポートフォリオとして、まとめて購入するのだそうです。

そうやって、手に入れた作品の99%は価値の無いものかもしれないが、残りの1%がピカソのような芸術家の作品であるのなら、すべての失敗を帳消しにできる。

株式投資でも、似たようなものがありますね。そうです、インデックスファンドです。どこか1社の株式を集中的に購入するのではなく、指数を丸ごと購入して、ほとんどの株式がいまいちでも、数社、GAFAMみたいな企業があれば、成功というものです。

ウォルト・ディズニーも、ビジネスの成功まで、時間がかかったそうです。作品の製作費は莫大で、赤字続き。すべてを変えたのは、『白雪姫と7人の小人たち』でした。この作品の大ヒットで、会社の借金をすべて返却できたそうです。

ディズニーは1938年までに延べ数百時間分の映画を制作したが、ビジネス的には『白雪姫と7人の小人たち』の83分間がすべてだった。

ヒット作の裏には必ず、いくつもの失敗作が眠っています。わたしたちは、成功例ばかりに目が行きがちなので、1つの成功例を生むために必要だった無数の失敗作の存在に気づきにくいのです。

ということは、自分のビジネスは複数持つというのも、ありなのかなと思います。ほとんどのビジネスが失敗したとしても、一つのビジネスで多大な利益を上げることが、できればいいわけですから。

しかし、ここでも多くの日本人は、失敗することを過度に恐れるため、1つの成功例を生むために必要な失敗作を受け入れることを、嫌がりそうです。そもそも、日本人は失敗の可能性が高そうなものには、チャレンジしたくない国民性だそうです。

また、日本人は、一芸に秀でるとか、一つの道を突き進むとかが、好きなので、特別な才能を持っている人以外は、自分の道が見つからず、成功から遠ざかりそうです。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」ではなく、「五兎を追うものは一兎ぐらいは得る」で行きましょうw

「貯蓄」「投資」の世界では、誰もが初心者

なぜ人は、経済的な判断をうまくできないのか?

著者はその疑問に、それは「人類にとって新しい問題だから」と説明します。

もちろん、お金は昔からありましたが、「貯蓄」や「投資」といった概念は赤ん坊のように新しいのです。

そうです。わたしたちは、経済的な概念では、みんな初心者なのです!

最高の配当は「時間」をコントロールできること

最高の豊かさとは、毎朝、目を覚ましたときに 「今日も思い通りに、好きなように過ごそう」と 思えることだ。

これは本当にその通りだなと感じました。わたしは、親の遺産で株式投資をし、セミリタイアしました。

ブラック企業で働いていましたが、辞めてしまいました。本当に自由になって、気分がいいです。

ブラック企業にいたときはストレスで、酒量が増えアルコール依存気味でした。夜、寝るためにお酒を飲んでいました。

今では5年間飲んでいません。仕事のストレスがないので、アルコールは必要ないってことです。

ただ、このまま、一生生きていくには、 まだまだお金が足りないので、個人事業主として、このブログを書いたり、個人ゲーム開発をしているんですけどね。

 

自分の人生の主導権を握って、自分の時間を自由に使って生きていると感じることは幸福感につながるといいます。

モノではなく時間こそが、人生を幸せに導く。

しかし、多くの日本人は自分の時間をコントロールできないために、他の国々より幸福感につながらない場合が多いと思います。
労働時間の長さ、休みの少なさ、残業の多さ、子どもがいれば学校でのPTA活動などなど。

しかも、時間を得るためには、まずお金が必要ですね。

この本では、投資の前に貯蓄をすすめているのですが、主要先進国の中でも、日本は低賃金なので、貯蓄もままなりません。

しかも、株式投資も好きではない国民性なので、ますます経済的な独立(FIREのfinancial independenceの部分)から、遠ざかります。

残念ながら、多くの日本人はこうして、幸せ(自分の人生の主導権を握る)から遠ざかる生き方を選んでいるようです。

 

じゃあ、ここで疑問がわくのは 自分の自由時間がたくさんある ニートは幸せなのか?ということ。

私の考えとしては、ニートは不幸ではないが、幸せではないって感じです。
ニートは、楽といえば楽ですが、結局は親の収入次第なので、自分の人生を自分でコントロールしている感覚がないので、あまり幸福感を感じないのではないかなという印象です。

 

では、今度はお金を自由に使える お金持ちは幸せなのか?

基本的には幸せでしょうが、  たくさんお金を持っていても、中には不幸なお金持ちもいますね。

これもまた、お金を持っていることによって、いろいろな付き合い、しがらみが発生して自分の自由な時間が無くなるということなのでしょう。

または、疑心暗鬼になって他人がすべて、自分の財産を狙う泥棒に見えてしまうかもしれません。つまり、他人の思惑が気になってしまう。

とにかく、自分で自分の人生をコントロールしているという感覚が、幸せには大事なのかもしれません。

たとえ、大金持ちになったとしても、他人には知られないようにした方が良さそうですw

貯金の価値

先ほども述べましたが、この本では 「収入」より「貯蓄率」が 大切とされています。

投資は常にリターンが得られるわけではありません。運の要素も大きいですし。

それと比べると、貯蓄し、倹約することは、個人でコントロールできる部分が多いとのこと。

確かにそうなんですが、わたしはどちらかというと、貯蓄と倹約は苦手ですw 投資は好きなんですけどね。

気づくとAmazonセールで買わなくてもいいものを、買ってしまいます。
空気清浄機なんか、家に5台ぐらいあります。安くなっているのを見かけるたびに買ってしまっていました。そのおかげか、黒かった鼻くそが白くなりました。

貯蓄は、支出を減らすことで生み出せる。欲望を抑えれば、支出を減らせる。他人の目を気にしなければ、欲望を抑えられる。

このようにお金の問題にはサイコロジー(人間心理)が大きく関わっています。

また、貯金というものは何か特定の目的が なくてもしたほうがいいとのこと。
わたしたちの、この世界では最悪なタイミングで、予期せぬ出来事が起こり得る。貯蓄はそのリスクに対する備えになります。

世界は年々、予測不可能になっていますよね。新型コロナウイルスとかもそうですし。

私たちは少額の貯金をするたびに、誰かに所有されていた 自分の未来を少しずつ奪い返しているのだ。

なんか、カッコイイですね!w

誤りの余地

この本では、誤りの余地をつくることをすすめています。何事も余裕を持っておくということですね。

よく、株式投資は余裕資金でやりなさいといいますよね。

また、現金を十分に保有することで、株式投資のある戦略が失敗しても、途中で投げ出さないで持続できます。

これが、現金を極力保有しないフルインベストメントだと、鼻血と涙を流しながら暴落に耐えなければならなくなります。

それだと、夜寝られなくなるかもしれませんし、ボラティリティに耐えかねて、全部売却してしまうかもしれません。

株式投資以外でも、例えば、副業をするにしても、いきなり本業をやめてしまうのではなく、仕事をつづけながら、副業をし、副業の収入が本業の収入を上回ってから、仕事をやめるなどのように、失敗してもいいように、常にやり直せる余地を残しておくということですね。

人生においては、背水の陣は極力やめたほうがいいということですねw

この世に無料のものはない

投資の代償とは、ボラティリティや恐怖、疑念、不確実性、後悔などに耐えることだ。

 

「投資で成功するには代償が必要である」という認識がないと、タダで何かを手に入れようという心理が働く。それは万引きと同じだ。

なかなか厳しいですねw

投資で成功するには市場に翻弄されることを、受け入れなければならないということです。

投資で何の代償(ボラティリティや恐怖)も払わずに過大な利益を求める人を、この本では泥棒に例えていますw

じゃあ、「元本保証で大きな利益」を求めるリスク嫌いの虫のいい日本人はほとんどの人が泥棒ですねw

よく、日本では投資家たちを、ズルい人たちみたいに言う人がいます。まるで、悪いことをしているみたいに。

でも、投資家はちゃんと、ボラティリティに耐えているんですよね。ボラティリティに耐えたからこそのリターンなんですよね。

決して、楽してお金を儲けようとしているわけではないんです。株式投資をしない人たちにはわからない苦労があるわけです。

 お金の神様は、代償を払わずに報酬を求める人を好まない

しかし、そんな日本人でも車や家、食事、休暇などに代償を支払うことは厭わないはずです。人は料金を支払うことには抵抗を覚えないが、罰金は嫌う。

この本では、市場の変動性を「間違った判断をしたことに対する罰金」ではなく、「将来的に利益を得るために支払わなければならない手数料」と考えることを、すすめています。

そのほうが、長期的な視野で投資ができるからです。

ボラティリティは罰金ではなく、リターンを得るために必要な入場料なのである。

みなさん、ボラティリティによるリスクは罰金ではなく、例えば、ディズニーランド、夢の国への入場料みたいなものと考えましょうw

まとめ

わたしなりの、この本のまとめとしては、投資をするなら、夜ぐっすり眠れる投資にしたほうがいいということですね。

FXみたいに、夜も値動きが気になるようなものは、わたしは、やらない方がいいみたいですw

幸せになるために、お金を増やす。そのためには投資が必要。なのに、その投資で夜眠れなくなるほど、思い煩うのは本末転倒ですからねw

あとは、なぜ、投資をするのか?

それは、経済的に自立をするため。ではなぜ、経済的自立を目指すのか?それは、自分の人生を自分自身でコントロールするため。

 

好きな時間に、好きな人たちだけと付き合い、好きなことをする。

 

といったところでしょうか。

いやー、いい本でしたね。
今回の記事で取り上げたのは、一部です。ほかにも、参考になる箇所が多かったです。
ここ最近のボラティリティに参っている人には、ぜひ、読んでもらいたい本です。

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