こんにちは。カズゥです。
以前のこの記事では、日本人のリスクを極端に嫌う、ゼロリスク思考について書きました。
【株式】ゼロリスク大好き日本人は株式投資を嫌うために茹でられていることに気づかない
完璧主義が多い日本人の思考のクセとして、両極端な考えの『白か黒か思考』または、『ゼロか100か思考』になりがちです。
また、もう1つの、日本人の思考のクセとしては、極端から極端に流れる『白から黒、黒から白思考』または、『ゼロから100思考、100からゼロ思考』があります。
そうではなく、真ん中というか、第3の道を探すというか、グラデーションで考えてみようというのが今回のお話です。
登校か不登校か
“ひきこもり” 初の大規模調査 見えてきたものは | NHK
江戸川区が大規模なひきこもり調査をしました。
ひきこもりに至るきっかけは、人によって様々だとは思いますが、不登校がきっかけの人も多いはずです。
子どもが学校に行きたくないと、親に言ったとき、親も子どもも、登校か不登校かの白か黒か思考に陥りがちです。
つまり、まったく学校に行かないか、学校に行くなら1日フルで登校するかの両極端な二択しか考えられなくなってしまうということです。
学校に行くなら、1日フルに登校しないと意味がないと考えがちですし、学校に行かないなら行かないで、不登校の自分の人生はもう終わってしまったと考えがちです。
こういう時は、第3の道を探す、グラデーション思考で考えたいです。
例えばですが、学校に行くなら、下校に近い時間の2時間だけ登校するとか、教室以外、保健室登校とかでもいいでしょうし、あるいは、出たい授業だけ出るなどです。
また、学校にまったく行かないとしても例えば、漢字検定とか英語検定を取ってみる、何か資格を取ってみるなどです。または、何かスポーツをしてみるのも良いと思います。
また、もう一つの日本人の思考のクセとして、極端から極端へ流れるというのがあります。前述した、白から黒、黒から白思考ですね。
教育熱心な親で、子どもに対して厳しく、時には体罰も厭わない覚悟で育てていたはずが、子どもが不登校になり、一度同情すると、途端になんでもかんでも受け入れてしまい、今度は、子どもに何も言わなくなり、家でひきこもって何もしなくなってしまうことを、黙認してしまいます。
子どもを見守りながら、背中を押す、などの適度な対応ができなくなったりします。
世の中もまた、以前なら、何が何でも学校には行った方が良いという風潮でしたが、時代も変わると、無理して学校には行かなくても良い、登校再開だけがゴールではないと変わります。
学校に行けるのなら、行ったほうが良いも正しいですし、苦しいなら、学校に行かなくても良いも、また正しいです。どちらも正しいと思います。
ただ、この2つだけだと白か黒か思考になるので、別の第3の道、グラデーションで考えるようにしようということです。
働くか働かないか
昔、一時期「働くのは負けかなと思っている」という言葉が話題になりましたが、何年かを経て、確かに、あまりの社会保険料の負担で「働いたら負け」が現実味を帯びてきましたw
働くか、働かないか。
日本人は働くと決めたら、その完璧主義を発揮して、バリバリ働いて、働きすぎて心を病むのはまだしも、過労死にまで至るときがあります。
今度は逆に働かないと決めたら、ニートになり、ひきこもりになってしまいます。
ひきこもりには、もともと、一生懸命に働いていた真面目な人が多いです。
バリバリ働いていた人が、仕事の失敗などを契機に気を病んでしまい、そのまま退職すると、ひきこもってしまうことが多々あります。
ひきこもりもまた、支援の手を借りて、社会復帰すると、仕事を得た喜びで過剰に働いてしまい、ブラック企業のやりがい搾取にあう人もいます。
これもまた、極端から極端に流れる白から黒、黒から白思考です。
こういう時も、グラデーション思考で考えたいです。
勤務時間を減らす
過労死するぐらいなら、勤務時間を減らすか、勤務時間の少ない仕事に転職したほうが良いと思います。
勤務時間を減らしたら、給料も減って生活費が少なくなると思うかもしれませんが、それほど、変わらないんじゃないかと個人的には思っています。
なぜなら、勤務時間が減れば、給料も減りますが、ストレスも減るからです。
長時間労働はストレスが溜まるので、結局、そのストレスの解消にお金を使ってしまいます。
たばこ、お酒などの嗜好品はもちろん、ギャンブル、コンビニコーヒー、飲み会、外食、ムダな買い物、ソシャゲの課金、高額な趣味などなど。
休日のお出かけは、気持ちもリフレッシュできて、もちろん、良いことですが、行く先々でお金を使いすぎることもあるでしょう。
勤務時間を減らして、ストレスを減らせば、使うお金も減るかもしれません。
在宅の仕事をする
一旦、仕事を辞めて休むと、ズルズルと無職期間が長くなりがちです。
例えば、2年間休んでしまうと、履歴書に2年間の空白期間が生まれます。就職するときの面接で、その空白期間を聞かれることが多いです。
それが嫌で無職期間がさらに伸びていってしまいます。その結果、人によってはニート、ひきこもりになってしまいます。
しかし、よく考えたら、疲れて2年間仕事をしない期間があって、何が悪いのでしょうか?誰でも、仕事に疲れたら何年間か休んでもいい、そういう社会になってほしいですね。
でも、仕事は別に会社に所属して、働くというものでもありません。在宅でできる仕事をしてもいいのです。
ブログを書いたり、Webマンガを描いたり、個人ゲーム開発をしたり、小説を執筆してみたり、いろいろしてみるのもいいと思います。
会社に所属して、時間を売るだけが、仕事ではありません。自分で創ったコンテンツを売るのも仕事ということを、頭の中に入れておきたいですね。
現金か株式か
岸田さんが、「貯蓄から投資へ」と 言い出しました。そういう岸田さん自身は、株式を保有していませんので、よく言うよといった感じですが、こういう株式を購入しようという話になったときに、日本人はなぜか、有り金全部で株を購入するイメージを持ってしまいます。
現金100%か株式100%か。これもまた、白か黒か思考ですね。
日本人は株式投資をしたからには儲からなくちゃいけないと思いがちですが、別に儲からなくても、資産を守るためには、分散したほうがいいので、現金100%ではなく、全資産の中にいくらか、株式を入れてみようということでいいのです。
あと、気を付けないといけないのは、株式関係は白から黒、黒から白思考にもなりやすいです。
基本的に、日本人は凝り性なので、一度ハマると、えらいハマります。それまで、一切株式投資をしていなかった人が、株式投資に目覚めると、けっこう、リスクの高い取引をするようになったりします。
ほどほどのインデックス投資にしておくのも賢明です。
夢を追い続けるか夢をあきらめるか
これもまた、白か黒か思考で、 世の中的にはなんとなーく、どちらかを選ぶことになっています。しかし、どちらかを選ばない人たちもいました。
例えば、相対性理論で有名なアインシュタインは、相対性理論の研究ばかりしていたイメージがありますが、スイス特許庁の審査官として働きながら、研究をしていました。
つまり、食べていくための仕事のライスワークと、一生の仕事のライフワークのどちらもしていました。
また、生活保護には「夢をあきらめた結果としての生活保護」みたいなイメージがありますが、ハリーポッターシリーズで有名なJ.K.ローリングさんはシングルマザーで、生活保護を受給しながら、作品を書き上げました。
他に、現トロント・ブルージェイズの菊池雄星投手は、プロ1年目に東北福祉大の通信教育部に願書を提出しました。それは、引退後に教師になりたいという夢があったからです。
この場合も、プロ野球選手か教師かという白か黒か思考ではなく、どちらも追いかけてみるグラデーション思考でした。
しかし、残念ながら当時のスポーツメディアにプロ野球をなめてる、二兎を追う者は一兎をも得ずなど叩かれまくりました。人の人生の選択に、ケチをつけるなんて何様なんでしょうね。
かく言うわたしも、その当時の菊池投手の選択には、頭の中が「?」でしたので、偉くは言えませんがw
これは、わたしの考えですが、プロ野球選手として成功しなかった場合の菊池投手なりの、人生のリスクヘッジだと思います。
プロ野球選手として成功するのは、ほんの一握りの選手です。10年に1度の逸材と言われた菊池投手もどうなるかわかりません。プロ野球選手としてうまくいかなかった場合のことも考えて、行動するのはリスク管理として素晴らしいことです。
結局、今はメジャーリーグの投手として成功していますが、菊池投手のグラデーション思考は今の時代のほうが、評価されるのではないでしょうか。
まとめ
白か黒か思考に陥りやすいものを、4つ、例としてあげてみました。
他にもグラデーション思考の人として大谷翔平選手がいますが、散々、語られつくされているのでやめておきますw
以前の日本人はここまで、白か黒か思考ではなかったと思います。
あまり、良い意味では使われませんが、玉虫色なんて言葉もありますし、あいまいさを意味する「ファジー」という言葉は、平成2年の新語・流行語大賞で金賞を受賞したこともあります。
どちらかというと、欧米が白黒はっきりつけたい国で、日本の良さは白黒つけない、あいまいさにあるなどと言われるものでした。
今年の7月10日に参議院選挙がありますが、今の各政党を見ても、両極端な政党が多いと思いませんか? 中道といえるのは維新か国民民主ぐらいでしょうか。
グラデーション思考をするには、心の余裕が必要です。
絵具でも白と黒を使うのは簡単ですが、グレーをグラデーションで使うには 黒70%、白30%などと、考えて混ぜ合わせなければなりません。
まだ、人類が猿だったころ、肉食獣などの外敵に襲われた場合、とっさの判断が必要でした。闘うか?逃げるか? 闘争か逃走か反応、まさに白か黒か思考ですね。
現代の日本人は、長引く不況に心の余裕も自信も失って、コンクリートに囲まれながらも、原始時代と変わらない、外敵から身を守るために常に周囲を窺うような、ビクビクと不安な気持ちで過ごしているのでしょう。
わたしも、2つの選択肢で迷って、ジレンマに陥ってしまった場合は、このブログ記事を思い出して、第3の道を探す、グラデーション思考で考えたいです。
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