読書感想文

【読書感想文】マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

こんにちは。カズゥです。

わたしはむかしからいろいろなものに興味を持っては飽きるを繰り返していました。ギター、釣り、株式投資、英語、プログラミングなどですね。そして、そのどれも極めていないという・・・。

このブログ自体が、特化ブログではなく雑記ブログです。まあ、ホントにビックリするほど飽きっぽいです。

そんな、飽きっぽい自分に嫌気がさしていた2年前のある日、この本に出会いました。(大げさ)

この本を読んでこんな飽きっぽいわたしでもいいんだと、最初は勇気づけられていたんですが、よくよく考えると・・・。

マルチ・ポテンシャライトとは?

「マルチ・ポテンシャライト」とは、さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探求する人。のことです。

マルチ(多くの)ーポテンシャル(潜在能力を持つ)ーアイト(人)で、「マルチ・ポテンシャライト」です。

日本風に言えば、「二足のわらじ」でしょうか?

長くて呼びにくいなと思ったら、作者の方も別にほかの言い方をしてもいいし、自分で作っても構わないと言っています。

本書に例としてあげているものでは、豊富な知識に重きを置く「博学者(ポリマス)」と「ルネサンス人」。

知識よりスキルのある「何でも屋」、知識が広いが浅い「ゼネラリスト」などです。

本書では一芸に秀でる「スペシャリスト」との違いをお医者さんで例えます。

心臓手術を受けるなら、「スペシャリスト」の心臓外科医。そりゃそうだ。でも、慢性的な健康問題なら幅広い医療の知識のある「マルチ・ポテンシャライト」のお医者さんと、どちらも価値があるし、必要とされている。たしかに。

また、「スペシャリスト」同士をつなぐ「橋渡し役」「車輪のハブ」としての役割を持つとも説明しています。

具体的にはどういう人たち?

本書の訳者あとがきで、具体的な名前が上がっています。その名前を見るとイメージしやすいと思います。引用してみます。

日本 の マルチ・ポテンシャライト といえ ば、 真っ先に頭に浮かぶのは、コメディアン/俳優/ボクサ/画家/書家/ヨギ として 活躍中の片岡 鶴太郎さんだろう。イラストレーター/作家/ミュージシャン/俳優/デザイナー/演出家など多彩な顔を持つ リリー・フランキーさんもいる。俳優/映画監督/映画評論家 として知られる斎藤 工さん、 有名マンガ家でありながら50代から声楽家としても活動している池田理代子さん、コメディアン/女優/ボクサーで絵の才能もある山崎 静代さん、コメディアンで芥川賞 作家の 又吉直樹さん、サッカー選手/起業家/教育者の本田圭佑さん…… と いくらでも浮かん でくる。

わたしが個人的に追加したいのはビートたけしさんですね。コメディアン、映画監督、俳優、作家、歌手などですね。

あと今なら、星野源さんでしょう。ミュージシャン、俳優、作家などですね。

日本人は「マルチ・ポテンシャライト」が多い!

前述の訳者あとがきを見ればお分かりの通り、よくよく考えると、日本人にはというか、現代の日本では「マルチ・ポテンシャライト」、または「ゼネラリスト」が多いんですよね。

日本人は、もともと熱しやすく冷めやすいと評されますし、どこか「器用貧乏」なイメージもあります。

学校では、そんなに必要か?ってぐらい広範囲な知識を授けられ、「文武両道」なんて言葉もあります。現代で例えれば勉強だけじゃなくて、スポーツもがんばれよということです。そして社会人になってもひとつの仕事に精通する前に中途半端なまま、いろいろな部署に異動させられます。

作家の橘玲さんは、

日本社会のいちばんの問題は、会社にも官庁にもまともな専門家(スペシャリスト)がおらず、「仕事は苦役」と考える素人が適当なつじつま合わせをやっていることです。

引用:日本社会の問題点は会社にも官庁にもスペシャリストがいないこと[橘玲の日々刻々]

日本の会社の際立った特徴はスペシャリスト(専門家)をつくらないことで、「ゼネラリストを養成する」という建前のもと、数年単位でまったく異なる部署に異動させていきます。

引用:厚労省の不適切調査でもわかる素人だらけの日本社会[橘玲の日々刻々]

と世界と比べると日本には「スペシャリスト(専門家)」がいないことを嘆いています。

これからの日本で目立つためには「スペシャリスト」?

「スペシャリスト(専門家)」が多く、またリスペクトされている欧米では、「スペシャリスト」だけではなく、「マルチ・ポテンシャライト」の生き方にも、もっと注目をして!もっと自信を持って!という、この本の主張の価値は高いと思います。

しかし、もともと「ゼネラリスト」の多い日本には、その主張はちょっとハマらないと感じましたし、むしろ、これからの日本には「スペシャリスト(専門家)」が必要とされて、それを目指したほうが目立つんじゃないかなあと思いました。

「マルチ・ポテンシャライト」のわたしはどうすれば?

そんなこと言われたって、じゃあ「マルチ・ポテンシャライト」のわたしはどうすればいいの?ぐすん。と思われたあなた。大丈夫です。この本には「マルチ・ポテンシャライト」の働き方、生き方も書かれています。

詳しくは、本を読んでいただきたいんですけど、ざっと紹介してみます。

・グループハグ・アプローチ
ある多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する

・スラッシュ・アプローチ
パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る

・アインシュタイン・アプローチ
安定した「ほどよい仕事」をしながら、情熱を注げる取り組みをほかに持つ

・フェニックス・アプローチ
数カ月、数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく

などです。

わたしは、この中ではフェニックス・アプローチに近いです。

なんかカッコいいですよね。プロレス技っぽいです。

また、「マルチ・ポテンシャライト」が抱えがちな不安への対処法なども書かれています。

まとめ

今のわたしとしてはこれからの日本は「スペシャリスト」の育成に力を入れるべきと考えていて、2年前に初めて読んだ時とくらべるとちょっと感想が変わってしまいました。

しかし、わたし自身としてはどちらかというと、「マルチ・ポテンシャライト」ですので、折に触れてこの本を読んで生き方のヒントを得たいと思います。

ということで、こんな飽きっぽいわたしのこのブログ、何年続けることができるでしょうか・・・。

著者、エミリー・ワプニックさんのTEDトーク

Alexandra_KochによるPixabayからの画像